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キルケゴールのポピュラーな解説の問題点の一例

①代表作と解説内容が一致しない
→代表作は『死に至る病』や『不安の概念』だが、そこによくある実存の三段階という話は出てこない。あるいは『死に至る病』の後半に出てくる「尺度」の話や、『不安の概念』の冒頭に出てくる「第2倫理学」の話はほとんど取り上げられない。

②実存の3段階という整理自体の正確さに議論の余地がある。
→そもそも実存の3段階という話は『人生行路の諸段階』や通称『あとがき』では出てくるが、他の作品では出てこない。『死に至る病』にも出てこない。また、キルケゴールは色んな段階をそこらじゅうで書いていて整理されてない。（たとえば『あれか、これか』では2段階。いわゆる美的実存も細かく分ければ5段階くらいある）

したがって、ポピュラー哲学は、こういうわけわかんないところについて、自由で大胆な解釈を提案するというあり方が望ましい。

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